ニューヨークでの出産*食事療法*私はこうして妊娠糖尿病を乗り切りました!
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ニューヨークでの出産*食事療法*私はこうして妊娠糖尿病を乗り切りました!

昨年末に長男を無事出産した私ですが、ニューヨークでの出産についてのトピックもゆっくり少しずつシェアさせてください!

今回は妊娠糖尿病のお話です。

日本人なら割と耳にしたことのある方が多いかもしれませんが、現地での病院での診断方法やアドバイスなど載せておきますね。お役に立てますように。





目次

1.妊娠糖尿病とは
2.診断方法
3.ハイ=リスク(厳重注意)出産と食事規制
4.血糖値を上げる食べ物
5.食事の順番
6.何を食べたらいいかは個人差があるということ
7.まとめ


妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病は英語で Gestational diabetes と呼ばれます。普通の糖尿病とは異なり妊娠時にのみ発症し、出産直後に治ります。糖尿病っていうと甘いものが好きとか、太っている人が患うなどのイメージがありますが実際には

あまり関係ないらしいです。

逆に妊娠糖尿病の人は、甘いものを食べるのを一切禁物という過酷なコンディションでした。実際何が関係しているかというと遺伝・人種らしいですよ。人種って結構驚きですよね。

かかりやすいのはアジア人とラテンアメリカ人

イメージ的にはドーナツやマクドナルドばかり食べてる太った白人のおじさん、外食でコレステロールの高いものを採っている金持ちの人たちが浮かびますが、個人差にもよりますが比較的欧米人は比較的罹りにくいらしいです。中でもアジア人の確率が多いようです。
家系に糖尿病を患っている人がいることも大きく関係しているらしいです。遺伝ですね。ちなみに私の場合は家系に糖尿病で失明した人がいるのでその影響があるのではないかと思います。甘いものが特に好きなわけではないし、食べることがとりわけ大好きなグルメ家でもない私ですが、血液検査で昔から血糖値は割合的に高めでした。



診断方法

テストはまず、日本での出産と同様   グルコースチャレンジのドリンクを飲まされます。私のクリニックでは妊娠7ヶ月目に行いましたが、もっと早い場合もあります。一度目の実地で50mlの甘いドリンクを飲み、一時間後に血液検査で数値を測定します。そこで規定の数値を上回った場合に、二度目の検査をします。この時ドリンクは100mlに増え、測定は一時間ごとに採血を三度繰り返します。前夜8時間前までに食べ物を採りその後は朝食抜き。三時間目の採血まで、水や食べ物は一切禁止(検査が始まるまで私は水は許されていました)、施設から出歩くことも禁じられました。大体の場合、自分の通っている診療所や病院で行いますが私の診療所では行えなかった為、採血等を専門に行うQuest Diagnosis という施設に向かいました。予約を取るのがなかなか難しく一週間待ちで、少し締め切り日よりも遅くなりましたが、問題ないとのことでした。

妊娠糖尿病と判断されてからは急に”High Risk Pregnancy”に分別されます。私は35歳以上で初めての出産ということでその要素も含まれていました。ハイリスクと聞くと深刻なように感じますが実際逆によかったなと思う事。それはドクターの監視がもう少し強くなるので何もない場合よりきめ細やかなケアが頂けたという事です。アメリカは、放ったらかしにされるレベルが日本とは違います。だから監視されていた方がなんとなく安心だったのかな?どちらにせよ一番大切なのは、どんなレベルにいても無事に赤ちゃんを出産できるように妊婦と医師が協力し合うことだと思います。

ハイ=リスク(厳重注意)出産と食事規制

High risk pregnancyと診断されてからは、この糖尿病に関しては近所のクリニックではなく総合病院に行き、Labor & Delivery (産婦人科の分娩専門科)のDepartment Chair (責任者)の医師の元で出産まで監視され続けることになりました。先程にも述べたように私の場合、家系に糖尿病(妊娠ではなく普通の糖尿病)を持っている人がいる為、10年ほど前にも医師にそのような話をされたことがありました。なので予想はできていましたが、医師陣いわく案外深刻なことなんですね。

まず課長の医師にコンサルテーションを受けました。念入りに、”貴方が妊娠糖尿である事は貴方の食生活が問題ではなく、遺伝が関与しています。決して自分を責める事のないように”とアドバイスされました。アメリカは特に人の精神的な部分を重視する為からの配慮でしょうか。特に責めてはいなかったけど、気遣ってくれて有り難う。
続いて、これから出産当日までの間、どのような食事療法をするか、そして一日4回の自宅での採血の仕方について説明を受けました。

採血で血糖値を測る

医者に処方をしてもらい、採血キットを購入します。指に塗るアルコールワイプ、指に刺す針(lancet)、そしてリトマス紙みたいなストリップと数値測定器の4点セット。保険利かないと結構なお値段です。それから、朝起床後すぐ、朝食、昼食、夕食各一時間後、の計4回を毎日測定し、数値を記入します。私の医師は週に一度報告してほしいとのことで、メールによるやり取りでした。起床後は最大90,それ以外は130以下を目指さなければなりません。

ミールプラン

Labor &Deliveryの department chair との初めのコンサルテーションで、ミールプランについての説明をいただきました。はっきり言って、ダイエットするの?ぐらいの勢いです。これじゃ赤ちゃんに栄養いかないのでは?と旦那に心配されました。それぐらい、食事カットを求められました。その内容はこちらです。

 

血糖値を上げる食べ物

甘味物

甘いものはもちろん要注意リストに上がるのですが、これについて説明を受けました。

糖分には fructose (フラクトース)と glucose (グルコース) の種類があり、fruにみてわかるようにフラクトースは果糖でフルーツの甘い要素です。グルコースはいわゆる人工的な砂糖にも入っている物質(葡萄糖)、クッキーやチョコレートのようなお菓子に入っています。

フラクトース、果糖の方が分解する時間がかかるので一気に血糖値が上がりにくい一方、グルコースはすぐに分解されるので糖尿病の人には要注意、むしろ全然食べない方がいいぐらい!と言われました。でも甘いものは食事においてどうしても避けられないから、砂糖が明らかに入っているお菓子は絶対に避けるようにとの指示を受けました。

炭水化物

ご飯やパスタ、うどんのような炭水化物にも糖分がたくさん入っています。食べてもいい分量として4分の1カップぐらいを見せられました。
これは仏様のお供物じゃーん!
と思いましたが、後々自宅での血糖値チェックで、先生がなぜそのようなことを言っているか、よくわかる事になります。

特にスターチ系がよくないと言われました。私は栄養士ではないのではっきりは分からなかったですが、スターチと言われるとどろっとしたりネバネバになる炭水化物がいけないのかなと思いその食材はカットしました。いわゆる、お餅やご飯、小麦粉、芋系ですね。

血糖値上昇を抑える食べ物

逆に血糖値を上昇させにくい食材は食物繊維を多く含む野菜やお肉や魚、豆腐に含まれるタンパク質。お肉ってゴテッとしてるし糖尿病にはあまりよくないかと思っていましたが、沢山食べても血糖値上昇にはあまり関係ありませんでした。牛乳やヨーグルトなども甘味が入っていないものであれば大丈夫です。
私はよく、ハマス(雛豆をペースト上にしたものがベースの中東系の食べ物)やビーフ=チリを作って食べていました。特にチリはお腹持ちが良いので重宝しました。
Multi grain (マルチグレイン)のパンや、パスタも、通常のものより体で分解される時間がかかるので選ぶと良い炭水化物です。白米より玄米、という事ですよね。

 

食べ方の順番

食物を食べる順序はとても大切です。

1野菜や繊維の多い物→2タンパク質や無機質→3炭水化物

理由は、まず繊維の多い食物を採ることにより体の中でグルコースの分解を遅らせるから、です。野菜を一番始めに食べることは、糖尿病に関係なくどの人にでも健康的なのでぜひお勧めです。次にチーズやお肉などのタンパク質。重めの牛肉シチュー(カレーのルウには小麦が入っていますので気をつけて下さい。ブロスやストックのみで味付けしてあるスープのようなものが健全です)でも中身に気をつければOK。私の場合は、例のビーフチリ、全然問題ありませんでした。ヨーグルトなど(もちろん無糖で)にフルーツを添えたものもこの段階で採ることが無難です。中には果糖がグルコースレベルに大きく関与してしまうからです。果物はフラクトースといえども、朝イチでグリークヨーグルトにイチゴをのせたものを食べたら、規定外の数値が出てしまいました。医師には不思議がられました。”無糖ならこのメニューに問題はないはずだ、砂糖入れただろう?”。。。入れてません。一度試してみて、大丈夫であれば、ヨーグルトと果物を朝に食べても大丈夫だと思いますがくれぐれもお気をつけて。

そして最後に炭水化物

普段のお米を食べてからメインのタンパク質料理食べている方は本当にぎこちない食べ方ですが、健康な赤ちゃんが産まれてくることを願い、母親の底力で頑張って下さい!ニューヨークではケトダイエットやベジタリアンメニューに気を使った風潮があるので、そのような食事を手に入れるのは困難ではないと思います。あと、ゆっくり食べてみて下さい。時間をかけて食べると満腹中枢が働き、自分が思っているよりもお腹が満たされていることに気付いたりするものです。

何を食べると効果があるかは個人差があるということ

ここで注意していただきたいのが、個々によって血糖値上昇に関わる食材が違うということ。炭水化物で言うと、私の場合は白米が血糖値を一番あげていたのに対して、日本人の知人はパスタだったと言う事。だから初めはどの食材も少しずつ試してグルコースセルフチェックを行い、自分に一番合った食物を見つける事をお勧めします。11月の感謝祭前に、勤務先で勧められて何となく断れずに食べてしまったほんの小さな大福サイズのおもちみたいなお菓子(中国の文化的なお菓子で、pumpkin cakeと言ってました)は最高数値の220越え。後日即先生に指摘されました。もちろん出産まではもう食べないですよとお約束して。私はうどんもよくありませんでした。

まとめと余談

以上が、妊娠糖尿病の食事制限についての個人的な経験に基づいてのアドバイスです。この方法で最後の数週間までは好調に進んでいましたが、驚いたことに最後の最後で血糖値が上昇しました。出産に向けてホルモンバランスに変化があるためだそうです。自分では避けたいなと思っていたグルコース注射をすることになってしまいましたが、思ったより痛くなかったしストリクトな食事制限で胎児に栄養が行かないほうが幾分危険だっただろうし、医師陣の判断に感謝しています。おかげで、出産時に私の息子は血糖値が健全な状態で生まれてきてくれました。我慢するのはほんの数ヶ月、もしくは数週間のみのこと。自分も健康な状態でいられると思い、この時期を乗り切って下さい。応援しています。




 

 

 

 

Nekonome NY を読んで下さってありがとうございます。

ニューヨークという街が、あなたにとってすこしでも素敵な場所でありますように…